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この数年、ジュスチーヌ姉妹は、母親の誕生日にパリで過ごしています。
いつも同じホテル、同じレストランへ行き、ルーブルかオルセに・・・分かるわぁ、年をとると変化が苦手になるのです。
この、古びたホテル・ショパンは、最近、ブラタモリとかいうテレビで紹介されたそうで、日本人だらけを覚悟していってみました。
古びた・・・まさに私たちの好みのホテルです。

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地下鉄を降りて、探しまわりましたが・・・なかなか見つからなかった、パサージュ。
暑い中、一時間以上歩いたでしようか。
なんだか、懐かしい感じ・・・この中に、ホテルショパンはありました。

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古びたアーケード街です。
小さな蝋人形感が・・・閉まっていました。
あちこち、工事中でした。

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朽ち果てたような古本屋が並び・・・あ、と思いました。
最初にパリに住んだとき、同じアパートにいた、気難しいおじさんが、ここで古本屋をやっていました。
ベルナール・ゴーギャンの店があった場所だと、思いだしたのです。
いやなお客が入らないように、店にはいつも鍵がかけてありました。
そして、いい本を散々、見せびらかせて、客が買いたいというと、惜しくなって売らないのでした。

いくつか覗いたけれど・・・椅子に座ったヨボヨボのおじいさんがいたけれど・・・まさか・・・もう死んだわね。
見かけないと、みんな殺してしまう・・・。

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ゴーギャンさんは、新しいものが嫌いでした。
私たちが住んでいたモンパルナスのアパートは、モンパルナスタワーと呼ばれる大きなビルの向かいにありました。
ムッシュウ・ゴーギャンは、このビルを毛嫌いし、
「私は、モンパルナス・タワーの近くに住んでいます」などと、覚えたてのフランス語で言うと、烈火の如く叱られました。
「ノー、ノー、ノー ! モンパルナス駅の近く・・・と、いいたまえ !」

そんなことを思い起こしながら、流行っているらしいレストランでお昼を食べました。
私としては、珍しく冷えたビールを飲みました。
お客のほとんどが注文していた牛肉は・・・売れきれでした。
仕方なく頼んだ鶏・・・ソースが濃厚でした。

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ムッシュウ・ゴーギャンは、アメリカが大嫌いでしたが、ジーンズは好きでした。
40年以上も前のパリでは、アメリカ製のジーンズを手に入れるのは難しかったのだけれど、あるとき、彼はジーンズを履いていました。
しかし・・・腫れ物を扱うように大切にしていたジーンズを、彼は洗濯屋に出しました。
アイロンがかけられ、縦にくっきりと線の入ったジーンズを、それからも、ゴーギヤンさんは自慢そうに履いていました。

夫は、ハムサラダと、なぜかフィッシュ&チップス・・・パリで ?
まぁ、たまには、おいしいものでした。

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アイロンがけされたジーンズを履いた、ムッシュウ・ゴーギャンと、「東京物語」を見に行きました。
「なんて、上品な人たちだ・・・」と、彼は号泣したのでした。

あとで分かったことでしたが・・・ヨボヨボのおじいさんは、どうやらムッシュウ・ゴーギャンだったようです。
ずいぶんと年上と思い込んでいましたが・・・まだ80になったかならないか。
生きていても不思議ではありません。
まだ、ジーンズを履いているのでしょうか。






# by aomeumi2 | 2019-07-15 13:30 | ポルトガル便り | Comments(11)


海の男、カルロスは、夫とともに20年働いてきました。
出会ったときには、まだ少年の顔でしたが・・・渋い男になりました。
バツイチ・・・置いて来た子供二人はすぐ近所に住んでいて、ベタベタ・・・
いまは、犬と暮らしています。

無口な男は・・・女が途絶えたことがない。
この数年の彼女は美容師のザウラ、モザンビークから北のポルトにやってきました。

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料理が得意で、家に招いてくれました。
海老とか、サラダとかの前菜に始まり
パンも自分で焼いたそうで・・・中をくりぬき、ツナ缶とたまねぎ、生クリーム、その上に濃厚なチーズを乗せて焼いてある。

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北の料理、相当ヘビーです。

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同じく、北の郷土料理、蛸とジャガイモ・・・二年前に作り方を教えてもらいましたが、一度も作っていません。
今回は、里芋も入っていました。
この料理はヘビーなので、昼に食べるそうです。

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同じく、バツイチ・・・立派なマンションに住んでいました。
漁師町のポルトガル人は、こういう家に住むのが夢です。

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ひとり息子と住んでいます。
18才・・・この秋から、ホテルに就職が決まったそうです。
日本の漫画が大好き。
生まれた時から、眠らない、ミルクを飲まない、手のかかる、変わった赤ん坊だったそうです。
いまも、食事はあまりとらない・・・ケーキばかり食べているそうで・・・
この後、デートだと出かけていきました。

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デザートは、カリカリのキャラメルソースのかかったケーキ。
お土産にもらい、エドウィンとジュスチーヌに持って帰りました。

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いつ結婚するんだ・・・と、カルロスに夫が聞くと・・・しないそうです。
理由は・・・女は、うるさい。
なるほどね。
そのうち、刺されるでしよう。




# by aomeumi2 | 2019-07-13 12:17 | ポルトガル便り | Comments(16)


田端のアパートの窓から見える猫の森です。
端には、ジャスミンが咲乱れ・・・

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ポルトガルに発つ前に取り壊しが始まっていました。
右奥のタイサンボクの木が残されていましたが・・・

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田端に行くと・・・ニャ、と呼ばれました。
誰だっけ ?

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きれいさっぱり・・・タイサンボクも切られていました。

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三階建てのアパートが建つそうですが・・・両端の家は暗くなるでしょうね。
わが部屋の窓も、寝室は完全に被り、リビングは半分の窓は塞がれることになりそうです。

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ドクダミの絨毯でくつろぐシマ子・・・どこに行ったかしら・・・また、遊びに来てね。

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「猫の森・事件帖」は、どうやら続けられそうにありません。






# by aomeumi2 | 2019-07-11 11:09 | 猫の森・事件帖 | Comments(6)



今回は、二つの部屋を借りました。
夜中に何度もトイレに起きる夫の問題があったからです。
夫の子分、カルロスの家は、素敵な高級マンションでしたが・・・なんだか、ポルトガルに(漁師町に)いる気がしない。
結局、エドウィンとジュスチーヌの家に行きました。

朝は、こんな光の中で目覚めるのです。

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パテオの二階の部屋には、ウドゥィンとジュスチーヌが移り、母屋の部屋を貸してくれました。
古いタイルがとてもきれいです。

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寝室の前がバスルーム・・・キッチンの向こうのパテオから光が燦々と入ります。
これが、ポルトガル・・・漁師町というものです。

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書斎 ? も、自由に使わせてもらいました。

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暗くなると、パテオにロウソクを灯し・・・これが、ここの暮らしです。

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# by aomeumi2 | 2019-07-09 15:14 | ポルトガル便り | Comments(16)


傾いたおじさんは、二年前にはすでに消えていたのだけれど・・・

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路地には、新顔のアゴおじさんがいた・・・島で取ったらしい安い貝を売っています。
牡蠣は、多分、まずいと思う。

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七、八年住んだ家です。黄色だった壁が白く振り返られています。
中から出てきたのは、外国人・・・「前に住んでいたのよ」というと、「あら、中がみたいなら、どうぞ・・・」
ありがとう・・・と、別れました。
七部屋もあるのに、雨漏りがして、使えるのは二部屋だけだけでした。
きっと、修理したのでしよう。
ドケチの大家の姿は一度も見かけませんでした・・・死んだのね、きっと。

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私が植えた(捨てた)夾竹桃が大きく育っていました。
奥の家のお化け藤は、どうなったかしら・・・誰にも見られることなく、まだ咲き狂っているのでしょうか。

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この家に越して来たとき、前の家の女中だったイボンヌがついてきました。

だはは・・・と、笑いながら向こうからやって来た。
「そんな気がしたんだよ・・・会うと思った」と、夫。

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あ・・・やっぱりいた。
アントニアおばさん。
ポルトガルに行った当初、私が痩せている・・・と、心配して、ほとんど毎日、昼に呼んでくれました。
総勢、十人ほどの家族が集まって食事をしたものです。
この人の、揚げパンの味は忘れられません。

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近所は外国人ばかりで、話し相手がいない・・・と、二年前と同じことを言います。
元気そうでした。

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これは二年前・・・変わりないです。
夫は、ちゃんと二年分、年をとった気がします。

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額縁屋の犬が、最初はキョトンと眺めていましたが・・・慌てて飛んで来ました。
初代は、弱気をくじき、強気に従うシンバ、二代目は蟻食顔のブレック、そして、レックス・・・この犬はレックスの娘です。
奥さんと娘がとても図々しく、しつこくて・・・
家のドアを開けると、レックスを押しのけて家に上がり込み、冷蔵庫の前で食べものをねだるのです。
私たちは毛嫌いしてあまり可愛がらなかったのに
こうして懐かしがってくれると、うれしいような気になるものでした。
レックスも奥さんも亡くなりました。

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これは、変わらぬ様子で市場に並んでいました。
思い残すことのないように・・・毎日、たくさん食べました。
青いほうが甘いのです。

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楽しかったひと月を、忘れないように噛みしめています。
案外、写真が少ないことに気がつきました。
あまりに楽しくて、写真を撮る気がしなかったのです。

特に代わり映えのしない毎日だったのに・・・とても、楽しかったのです。







# by aomeumi2 | 2019-07-06 23:03 | ポルトガル便り | Comments(22)