男たちと、麻婆茄子


夫のリクエストで作った麻婆茄子・・・初めて作りました。
よそ様のブログでおいしそうだなと、いつも思っていました。
うちは、思うことあって、ひき肉は使いません。
しゃぶしゃぶ用の肉を包丁で細かく切ります。
茄子を揚げ過ぎてしまいましたが、なかなかおいしく出来ました。
こんなものなら、いつでも作ってあげます。

「イタァ〜タタタタ・・・」
夫が肩が痛いと大きな悲鳴を上げています。
力任せに薪割りをしたことと、そのあと、裸でいたので冷えたのです。
言わんこっちゃない・・・ネロ族は痛みに弱いです。
本当に痛ければ、声などでないのです。

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「はい、はい・・・痛いのね」と、生返事をしながら・・・こんなものを検索して眺めています。
近頃のお気に入り・・・ルノーのジャン・ドミニク・ヌナールです。
テレビで、羽田に降り立った姿に一目惚れ・・・素敵なんです。
多分、カシミヤの、上等なコートにグレーのカシミヤのマフラー・・・身のこなしも実にスマートでした。
とはいえ、これは本来の私の趣味ではありません。
母です・・・母の好みの男です。
お彼岸で、母が乗り移ったのかも知れません。
着物を着せたら似合う・・・外人であっても、これが母の好みの基本です。
確かに、ヌナールさまは、着物がお似合いかも・・・。

こうしている間も、二階から「イタァ〜タタタタ・・・」という絶叫が聞こえてきます。

ヌナールさまは、貴族の生まれとか・・・なるほどねぇ。
夏は南仏の別荘で優雅に過ごしておられるのでしょうね。
冬はスキーでしょうか・・・暖炉の脇で、犬を撫ぜながらグラスを傾け、本など読むのでしょうか。

「イタァ〜タタタタ・・・」
はい、はい・・・。

この方は、痛いときに、なんとおっしゃるのでしようか ?

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一方、この方は、痛いときにどうなさるのでしょうか。
ヌナールさまとは違って、このところのご苦労が伺えるお顔です。
東大を出られて、トントン拍子の出世をなさったようですが・・・お忙しい人生だったのでしょうね。
お二人とも、65才・・・責任の重い仕事をしている男たちは、大変ですね。

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この四人の男たち・・・それぞれに妻子があり、人生がある・・・当たり前だけれど。
年をとると、会見の内容などそっちのけで、なにを食べてきたのだろう・・・とか、痛い時は、なんというのだろう・・・とか。
彼らの少年時代のこととか・・・そんなことばかり考えてしまいます。
人間は、いじらしいものね。

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我が家の痛い人は・・・食欲はないけれど、酒だけは飲みます。
はい、はい・・・カワハギの刺し身は、肝で食べて・・・出来合いの〆鯖は〆すぎでおいしくありませんでした。

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痛い人を置いて、上京します。

病院の検査結果を聞いて、デートして、墓参りに行って、仕事の打ち合わせもある。
新宿の行きつけだった飲み屋、アイララの50周年のパーティーがあり、恵比寿の最終的な片付けもあります。
余裕を持って、十日間の予定で、珍しく忙しい日々です。
痛い人は、少し遅れて上京する予定です。
二三日したら、ケロリと酒を飲んでいることでしょう。

帰る頃には、目の前の山桜が咲いていることでしょう。








# by aomeumi2 | 2019-03-21 11:04 | 喜怒哀楽な人々 | Comments(4)


一見すると、なにもない庭・・・かがみ込むと、それなりに花が咲いています。
薔薇の芽も赤く芽を出し・・・目の前の山桜の大木にも蕾が膨らんでいます。
すぐに、そこいら中に、緑の霞がかかることでしょう。

アネモネ、パンジー、ヒヤシンス、水仙、ユキヤナギ、スズラン水仙、薔薇・・・

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三月17日は、母の命日でした。
近いうちに、庭の花を摘んで墓参りに行こうと思います。
もち米を炊いて、おはぎを作りました。
砂糖は使わず、甘酒で作りました。色がきれいではなく水分も足りない・・・味は・・・おはぎでした。
ポルトガルでも必ず作っていたおはぎ・・・亡くなってから、母の夢は一度しか見ていません。
通りの向こう側で、母は私の来るのを不安そうに待っている・・・大声で呼びましたが、母には届かず・・・
ちょっと、後ろめたい気がしました。
いつか、夢の中で、母の笑顔を見たいものだと思っています。

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母の好きだった肴を作り・・・まずはビールを一杯。
春菊の胡麻和えとワカメとわけぎのぬたです。

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マグロの赤身・・・四方山話をしながら冷や・・・母とはよく飲みました。
よく笑いました。

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# by aomeumi2 | 2019-03-19 09:36 | 花日記 | Comments(20)




40年の結婚生活の間に貯め込んだ写真と手紙・・・どの押し入れを開けても段ボールに押し込まれたものが出てきます。
アルバムに整理されたものは、ほんのわずか・・・ほとんどが束になって、放り込まれているだけです。

庭仕事が終わり、夕食前の時間を、写真や手紙を眺めたり・・・整理をしています。
時には、45リットルのゴミ袋に三つも捨てたりもしています。

気がついたことは、こういうものの整理というのは、死んだ人たちとの再会でもあるのですね。

夫の両親の結婚写真です。
犬猿の仲であった嫁姑でしたが、この可愛らしい花嫁が、どのような経緯であのように変わってしまったものか・・・。
人が、穏やかな一生を送るのは難しいものだと思いました。
姑を看とれたことは、ありがたいことだと思っています。
今では、なんのわだかまりもなく、今となっては感謝さえしています。

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80才で亡くなった姑の遺品の中から出てきた、夫のバイオリンです。
小さな男の子を二人連れて家を出た姑の夢は・・・自分は画家として成功し、上の男の子は小説家に、下(夫)は画家にすることでした。
どれも叶いませんでした。

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舅は、妻子の帰るのを20年も待っていましたが(女と暮らしながら・・・)ついに離婚、暮らしていた女性と再婚しました。
それがつい先日、亡くなった後妻です。
料理上手な人で、このハガキは、"ラッキョの作り方" を、父が丁寧に書いてよこしてくれたものです。
もう30年近く経つのに、一度も作っていません。

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これは、先日亡くなったパリ時代の友人、伸子の遺品です。
手芸用品の籠の中から出てきた小さな箱にはビーズがたくさん。
私がParisを出るとき、記念にと呉れたものです。
大切にしていたことを知っていたので、うれしかったのをよく覚えています。

そして・・・これも不思議なことですが・・・探し物をして机の引き出しを開けると、きれいなピンクの便箋が手にあたり・・・
伸子が、29才の誕生日に書いた私への手紙でした。
"もうすぐ30になるけれど、お互いに老けないでいましょう・・・" と、書いてあります。
毎日、絵を書いていること、日が長くなって、外に出たくてたまらなくなり、カフェで長い時間を過ごすようになったこと、
私の出した手紙は、二人で、うれしくてうれしくて読んだこと・・・Yは毎日、靴を磨いていること・・・
若い二人の、なんでもないParisの暮らしが、無邪気に綴ってありました。
30どころか、私たちはお互いに70を過ぎてしまいました。

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いろんなことが重なって・・・久しぶりに熱海のホメオパシーに行きました。
一年に二回ほど、カウンセリングを受けてレメディを頂いています。
観音様のように美しい先生が、明るい声で迎えて下さり、この二匹のプードルも一種のカウンセラーの役目を果たしてくれます。
私が来ると告げると、前の日から興奮し、私が来るまで玄関で待っていてくれるのです。

姉妹は、悪質なブリーダーから助けられた保護犬。ティーカッププードルの失敗で、手前のコは、体はカップに入りますが、
頭は普通のプードルと同じ大きさ・・・歩くこともままならない状況でした。惨いことをするものです。
成長するにつれて体も大きくなり、元気になりました。

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ついつい時間が経つのを忘れてしまい・・・この日も三時間も過ごしてしまいました。
ここに来ると、もやもやした自分の気持がみるみる晴れていくのです。
先生は、ひたすら私の言葉に耳を傾けるだけ・・・話していくうちに、どうしたらいいのか、自ずから答えが出てくるのです。

「お友達が亡くなられなければ、このような再会はなかったのではありませんか ? 」
帰りがけに、先生がこうおっしゃいました。
そうなのです。もし、生きていたら、会わないまま、すぐに十年くらいは経ってしまう。
思い出の品を見ても、手紙を見ても、なにも思わなかったかも知れません。
確かに、私たちは再会出来たのです。
いろんなことが、心に治まり・・・元気でいよう、と、思いながら帰りました。









# by aomeumi2 | 2019-03-16 13:53 | 天然な暮らし方 | Comments(10)

春の花と・・・春の本



夫に踏まれ、諦めていた小さな水仙・・・東京から戻ると、全て咲いていました。
偉いねぇ・・・来年は、しっかりと囲いを作って守ってあげよう。

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庭仕事をやっては、ウトウト読書・・・これがとても心地よいのです。
このところ、どこへ行くにも持って歩いていたのが、この須賀敦子。
最後の本で、病床で推敲を重ねた・・・というところに、亡くなった女友達が重なります。

なんど読んでも飽きない・・・初めて読んだ気がするのです。
内容の素晴らしさもあるけれど・・・忘れてしまうのです。
こういうところが年をとった良さでしょうか ?

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探しまわっていたヒヤシンスが、花が咲いて初めて居場所が分かりました。
あちこちに咲いていたものを、まとめて植えかえた気がするのですが・・・一つしかない。

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草むらの中に、もう一つ・・・おかしいなぁ、植えかえたのに・・・勘違い ?
これも、年のせいでしょうか・・・ピンクも白も、どこにも見当たりません。

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翻訳家の中村輝子さんの本です。西片・ギャラリー吉永の張さんが貸してくれました。
アイザック・ディネーセン、ハンナ・アレント、ゾラ・ニール・ハーストン、リリアン・ヘルマン、
ジョージア・オキーフ、ナディン・ゴーディマ。
あとがきには、異なる時代、異なる世界に生きた六人の女性作家や画家の人生の奥行き、
それぞれの状況の中で絶望せずに生き抜いた彼女たちのメッセージから、今を生きる私たちに勇気を与えられる・・・とあります。
これを読んだだけで、早く読みたくて、須賀敦子を読むスピードが上がってしまいました。

私が知っているのは、アメリカの砂漠で過ごした弧高の画家、ジョージア・オキーフだけです。
この本は、面白くて、ウトウトを許してくれないのが難です。

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たった二三日の留守なのに・・・アネモネがびっくりするほどの大きさで咲いていました。
これも、赤や青の花があったはずなのに・・・白だけです。一体どうしたことでしよう。

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上記の本の両方に出てきたのが、この「海からの贈り物」(リンドバーク夫人)です。
若いころに夢中で読んだ本で、なんだかうれしく・・・読み直そうと探し出しました。
本はほとんど捨てましたが、これは捨てないでありました。

このごろ、本屋で新しい本との出会いはほとんどありません。疲れるだけなので、残念ながら本屋とは遠ざかりました。
こんな風に、昔、読んだ本との再会というのも悪くありません。
須賀敦子は、訳が吉田健一ということに喜んでいます。

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東京から戻ると、夫が夕食を準備してくれていました。
鶏とジャガイモのクリームスープ・・・ベシャメルソースから自分で作ったとのことで、これは素晴らしい出来でした。
しかし・・・ジャガイモやニンジン、たまねぎが・・・煮えていない。
おいしいソースがもったいないので、翌日、庭の茎ブロッコリーを使って、グラタンにしてみました。
ローマのレストラン「トラス・テベレ」より、ずっとおいしかった・・・2600円。
値段をつける癖が抜けません。ブログ訪問でも、こっそり値段を付けています・・・こっそりです。

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庭仕事には絶好日和が続いています。
こんなときに家の中で本を読むのは、後ろめたい気もするのですが・・・30分だけと決めて舌なめずりをするように味わっています。
お酒を飲むと、本を読む気はしない・・・早起きして本を読んだら素敵な気分でしょうねぇ。
叶わぬ夢です。







# by aomeumi2 | 2019-03-13 10:25 | 天然な暮らし方 | Comments(14)




今回の上京は、病院の検査結果を聞くのが目的で、予定は入れず、映画もなし・・・
日曜日は、下町散歩としました。
田端の我が家の通りは、有名な夜店通りに繋がっているとのことで、行ってみると・・・あらま、五分もすると夜店通りの入り口でした。

谷中路地歩きの楽しみは・・・ずらりと並んだ植木鉢・・・やっぱり、咲いていた。
この時期、ここには、この桜草が咲くのです。
私は、知っているのです。路地通ですから。


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あまりお天気がよくなかったけれど、観光客がたくさん・・・日曜ということで、閉まっている店もありました。
左の鰻屋は、サルサの集まりで行ったことがあります。
安くておいしい・・・今度、夫を連れてきましよう。
この先に、谷中銀座があります。

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その谷中銀座から路地に入ると、大きな椿が咲いていた。
蕾もたくさん。
こんなところで見る花は、なんだか格別です。

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夜店通りの骨董屋・・・とはいえ、日常使いの品物が、とても安い。大きめのお盆をひとつ買いました。なんと、1000円。
店にはジャズが流れていて、物静かな女主・・・行きつけになるかも知れません。

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路地の薔薇は、上手に剪定されており、元気な新芽がたくさん出ていました。
かがみ込んで、見入りましたが、ここは、行き止まりらしいので、あまり長居をすると怪しまれそうです。

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延命地蔵・・・小さいけれど、残されているのがうれしい・・・隣はカレー屋さんらしい。
これも、次回の楽しみとしましょう。


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ちょっと、横道に入ると閑散としています。ここは飲屋街らしい・・・猫とおじいさんがのんびりとくつろいでいました。

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谷中には、私の行きつけの酒屋の立ち飲みがあります。近くで買ったコロッケをつまみに、ビールケースに座って一杯飲みました。
すごい人です。
外国人も多く、それを目当てに、やすものの瀬戸物とか、中国製の着物柄の小物などが通りに並んでいます。
高くても、いいものを売りなさい・・・高くても買ってくれる、行儀の良い上等な観光客が来ますよ。

どれもつやつやと健康そうな花たち・・・春を喜んでいます。

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やはり下町だな、と、感じたのは・・・。
花屋で花を眺めていると、親父がいきなり肩を抱いてきた・・・きゃっ、谷中イタリアーノ。
オネエさんなら、いくらでも負けるよ・・・いや、あげちゃおうかな・・・ほんとにもらってくぜ、いいのか ?
とにかく、みんながとっても、フレンドリー。
昔、イザベルを連れていったことのあるガラクタ小物の店を見つけました。
おばさんは、話が止まらず、店を出てからもずっとついてきました。
路地の生け垣を剪定していたおばさんは、その家の持ち主ではなく、近所の人・・・この家の持ち主の家族の歴史を拝聴しました。
ものすごくきれいな八重椿を見せると、知らないお宅に連れて行かれました。
下町路地散歩には、かなりの時間が要するのだと知りました。

花も見たし、酒も飲んだ、コロッケも食べた・・・ほろ酔いで帰って、銭湯に行きました。
いい日曜日でした。






# by aomeumi2 | 2019-03-11 10:36 | 花日記 | Comments(10)