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美しい友達・・・伸子が・・・死んでしまった




画家であり、作家の、到津伸子さんが亡くなりました。
私の展覧会に来てくれたのが最後で、帰国してから、一度も会っていないのです。
不意をつかれました。

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その知らせは、東京を飛び越して、パリのYから来たのですが・・・
いつ、どこで、どうして亡くなったのかが皆目わからない。

それは、1日の夜のことで、彼女と親しかったのが誰だったのかもわかりません。
ようやく、何人かと連絡は取れたものの、誰も、なにも知らないのです。
 
断片的な情報だけが乱れ飛ぶ中、亡くなったのは、1月31日のことだとわかりました。
それは、私がブログに"薔薇の花籠" の刺繍を載せた日です。
50年近くも前の、パリの思い出の布でした。

私と伸子とYは、パリのモンパルナスで、貧しかったけれど輝いた日々を共に過ごしました。
当時の写真を懐かしく眺めていた日のことです。

伸子は、美しい女で、パリの街を歩いていると、男だけではなく、女たちまでもが振り向くほどきれいでした。
一緒にいる私までもが誇らしいような気になったものです。
やがて私は帰国し、伸子はそれから20年後に帰国、Yは、そのままパリに残りました。

帰国してからも、パルコやアルファキュービック、Bunkamuraなどで展覧会を開き、それはまぶしいような存在でした。
しかし、伸子は、日本の生活に慣れず、辛そうでした。
そのことは、今、私には痛いほどわかります。
そして、孤立したまま30年も経ってしまいました。
いや、孤立とは違う・・・人と距離を置き、彼女は、深く、自分との対話を選んだのでしょう。

そして、出来上がったのが、この本です。
この本は、講談社のエッセイ賞を受けました。

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いろんなことがわかったのは、新聞に訃報記事が載ったあとでした。
いや、相変わらず、わからないことだらけではあったのですが・・・それでいい・・・と思いました。
わかったことは、伸子が、もういない・・・ということだけです。

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七年もかけて書き上げたという小説が、近く刊行予定だそうです。
その本で、彼女と出会えることが、今の、せめてもの慰めとなっています。

ご冥福を、心よりお祈りします。








Commented at 2019-02-07 08:19
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by aomeumi2 at 2019-02-07 08:25
鍵コメさま
そうでしたか・・・不思議なご縁です。
会ってはいなかったけれど、時々、朝まで電話で話しをしたり・・・才能がありましたね。
私も、驚愕・・・あまりにも不意をつかれて、どうしたらいいかわかりません。
Commented by fran9923 at 2019-02-07 09:05
おはようございます。
私の2年先輩ですね。パリと東京を行ったり来たりだったのですね。残園なことに私の中ではその頃のことがもう思い出せず記憶がありません。
若い頃からの友達が亡くなるのはこたえます。
もっと活躍できたでしょうに。残念です。
Commented at 2019-02-07 10:36
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by aomeumi2 at 2019-02-07 21:34
鍵コメさま
あぁ・・・なにゆえの鍵コメでしようか、残念です。
訃報は、増えますね。仕方なし・・・
この三ヶ月で、大事な人が4人もいなくなりました。それほどでもない人は・・・たくさん。
そのなかに自分がいないのが不思議なくらいの年齢となりました。仕方なし・・・ですね。
Commented by aomeumi2 at 2019-02-07 21:40
fran9923さま
そうでしたか・・・同じ時間に同じ場所にいたのですね。
いろんな事情で、途中で絵を辞めた方も多いことでしょう。
続けることは、すごいエネルギーがいりますね。
こたえました・・・ドスン ? いや、ズシン・・・かな。
せめて、あと10年・・・いやいや、いいの・・・安らかに、と思うばかりです。
Commented by maribabalondon at 2019-02-08 07:34
寂しいですね・・・残念ですね・・・

今は100歳以上のお年寄りも珍しくありませんが、70歳前後というのは、案外危険な年齢なのかもしれません。
青目さん、私達、そこそこ(あいまい)の年齢まで、楽しく生きましょう!
ご友人のご冥福をお祈りいたします。

Commented by aomeumi2 at 2019-02-08 09:46
maribabalondonさま
日がたつにつれ・・・ちょっとどん底。
確かに・・・70代はひと山越える時期かも知れませんね。
これからの生き方について、考えさせられます。
元気でいましょうね。
by aomeumi2 | 2019-02-06 23:34 | 喜怒哀楽な人々 | Comments(8)