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漁師町で消えたもの・・・変わらないもの


傾いたおじさんは、二年前にはすでに消えていたのだけれど・・・

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路地には、新顔のアゴおじさんがいた・・・島で取ったらしい安い貝を売っています。
牡蠣は、多分、まずいと思う。

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七、八年住んだ家です。黄色だった壁が白く振り返られています。
中から出てきたのは、外国人・・・「前に住んでいたのよ」というと、「あら、中がみたいなら、どうぞ・・・」
ありがとう・・・と、別れました。
七部屋もあるのに、雨漏りがして、使えるのは二部屋だけだけでした。
きっと、修理したのでしよう。
ドケチの大家の姿は一度も見かけませんでした・・・死んだのね、きっと。

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私が植えた(捨てた)夾竹桃が大きく育っていました。
奥の家のお化け藤は、どうなったかしら・・・誰にも見られることなく、まだ咲き狂っているのでしょうか。

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この家に越して来たとき、前の家の女中だったイボンヌがついてきました。

だはは・・・と、笑いながら向こうからやって来た。
「そんな気がしたんだよ・・・会うと思った」と、夫。

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あ・・・やっぱりいた。
アントニアおばさん。
ポルトガルに行った当初、私が痩せている・・・と、心配して、ほとんど毎日、昼に呼んでくれました。
総勢、十人ほどの家族が集まって食事をしたものです。
この人の、揚げパンの味は忘れられません。

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近所は外国人ばかりで、話し相手がいない・・・と、二年前と同じことを言います。
元気そうでした。

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これは二年前・・・変わりないです。
夫は、ちゃんと二年分、年をとった気がします。

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額縁屋の犬が、最初はキョトンと眺めていましたが・・・慌てて飛んで来ました。
初代は、弱気をくじき、強気に従うシンバ、二代目は蟻食顔のブレック、そして、レックス・・・この犬はレックスの娘です。
奥さんと娘がとても図々しく、しつこくて・・・
家のドアを開けると、レックスを押しのけて家に上がり込み、冷蔵庫の前で食べものをねだるのです。
私たちは毛嫌いしてあまり可愛がらなかったのに
こうして懐かしがってくれると、うれしいような気になるものでした。
レックスも奥さんも亡くなりました。

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これは、変わらぬ様子で市場に並んでいました。
思い残すことのないように・・・毎日、たくさん食べました。
青いほうが甘いのです。

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楽しかったひと月を、忘れないように噛みしめています。
案外、写真が少ないことに気がつきました。
あまりに楽しくて、写真を撮る気がしなかったのです。

特に代わり映えのしない毎日だったのに・・・とても、楽しかったのです。







Commented by こま at 2019-07-07 06:50 x
本当に楽しそうなご様子が画面からうかがえます。
それをみて私も朝からうきうき。
きょうもよい一日になりますように。
Commented by fran9923 at 2019-07-07 07:14
変わってしまったところも変わらないところも全て含めて懐かしい。
イチジクもたらふく食べて、そしてここには会いたかった人と犬がいて楽しかった、よかった〜〜。幸せ感が溢れていますよ〜〜。
Commented by oshibanayoshimi at 2019-07-07 08:22
おはようございます。
良いお里帰り(?)でしたね・・・
Commented by めい at 2019-07-07 08:38 x
特に代わり映えのしない毎日だったのに・・・とても、楽しかったのです

この言葉がすべてを物語っている

いつか…いつか私もそう言えるようになりたい
今は「あの日に帰りたい」ばかりです
Commented at 2019-07-07 10:18
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by takeshi_kanazaw at 2019-07-07 12:04
いい雰囲気の写真の連続ですね・・・。
<ドケチの大家>はとうとう殺されましたか・・・

まだこのシリーズは続くのでしょう?
楽しみにしてます。
Commented by echalotelele at 2019-07-07 19:54
ポルトガルの港町のこの路地が、とてもいいですね。
アントニアおばさんとの再会、嬉しいですね~♪
笑顔がとっても素敵。

フランスもずいぶん変わったと思うことが多くなりました。
でも、変わらないものも多いです♡
Commented by aomeumi2 at 2019-07-07 23:24
こまさま
改めて・・・なんてショボい街だろうと思いました。人もショボい・・・犬もショボい・・・それがまた慣れるといいのですよ。
Commented by aomeumi2 at 2019-07-07 23:26
fran9923さま
いいところだから、ぜひきてね・・・とは、絶対にいえないところです。5年くらい住むと・・・好きになるかも、というところでしようか。
イチジクは・・・本当においしかった。作れないかなぁ・・・。
Commented by aomeumi2 at 2019-07-07 23:27
oshibanayoshimiさま
そうですね・・・里帰り。ここ以外に私たちが帰るところはありません。いいひと月でした。
Commented by aomeumi2 at 2019-07-07 23:29
めいさま
ヨーロッパの田舎・・・というといい響きですが、ただの田舎。特別なものはなにもない、見るべきものもない・・・することもないし、それがよかったのでしようね。
Commented by aomeumi2 at 2019-07-07 23:31
鍵コメさま
いつも、お心遣いありがとうございます。
おいしく頂いています。ポルトガルにも持っていって見事に最後まで完食です。
大喜びでございます。
Commented by aomeumi2 at 2019-07-07 23:34
takeshi_kanazawさま
大家・・・いつもは街をウロウロ・・・窓から外を眺めたりしていましたが、見かけませんでした。雨漏りで家具が傷んだと抗議されたのですが・・・雨漏りは私たちのせいではなし。
ひどい家でしたが、雨漏りも楽しんだのです。
Commented by aomeumi2 at 2019-07-07 23:37
echaloteleleさま
まだマシになりましたが、貧しいところでした。みな助け合って生きてきたようです。
こうして再会を喜んでくれると、うれしいです。
この年代の人たちがいなくなると、いろんなことがさらに変わるのでしようね。
Commented by weloveai at 2019-07-08 11:00
キョウチクトウが大きく育って・・・青目さんだけに分かる足跡、落書きと違って夢があり、キョウチクトウとご対面も町の人にはわからない事でクスクス笑えるでしょう。
道路の真ん中にある事も素敵。
色は何色でしたか?
Commented by maikoscts2019 at 2019-07-08 18:08
読みながら、なにか、ジーンと・・・
涙まで出そうになってしまった。
これって、いったいなんだろう?
文章力?(だね)
犬もおばちゃん達も、皆、久しぶり
に会えて喜んでいる。
一番良い時期に住んでいたのですね。

Commented by marsha at 2019-07-08 19:13 x
懐かしい人、家、食べ物。みんな良かったでしょー。
しょぼい方が返って落ち着いて心休まるのでしょー。
私はそんなところの方が好きです。
マンハッタンや東京のようでは心休まるところがありません。

いちじく美味しそうですねー。
ウラヤマシ!!!
Commented by YuccaR at 2019-07-09 09:28
漁師町の良いところが風前の灯なのかな? と心配して拝見していましたが、アントニアおばさんにも会えたし、他にも変わらないところもあったようで安心しました。
甘いイチジクも食べられて寛ぐ里帰りでしたでしょうね。
愛読者にとっても嬉しい夏の休暇旅行でした。
気をつけてお帰り(もう日本かな?)くださいね。
Commented by aomeumi2 at 2019-07-09 14:51
weloveaiさま
すごい生命力です。多分、水をやる人もいないのに・・・花の色は、多分、赤だったと思います。
ここは、小さな広場なのです。子供たちがサッカーなどをやっていました。うちの犬が、いつもそのボールを横取りして、子供たちを困らせました。
Commented by aomeumi2 at 2019-07-09 14:54
maikoscts2019さま
多分・・・ここに誰かが訪れてもなんの感慨もない・・・そんな街です。多分、20年分の思い出が、私にとって懐かしく、どこを見ても、誰にあっても、小さな物語を思いださせるのでしょう。
Commented by aomeumi2 at 2019-07-09 14:56
marshaさま
おっしゃる通りです。ショボい街だからこそ、つまんない、つまんない・・・と、なにか面白いもの、面白いことを必死で探したのでしよう。とにかく、小さい・・・というところがよかったのでしようね。知らないところはないのです。
Commented by aomeumi2 at 2019-07-09 15:00
YuccaRさま
変わりましたが、まだ少しは面影があります。
なにしろ、役所も町の人も発展 ? に向かって驀進中・・・気がついたときには取り返しのつかないことになっている。
どこも同じですね。とにかく、経済的に少しは余裕が出てきて、人々が機嫌のいいことだけは確かです。
帰国して、もう一週間が経ちました・・・寒いです。
by aomeumi2 | 2019-07-06 23:03 | ポルトガル便り | Comments(22)